「甘草」という生薬が内臓脂肪の線維化阻止に有効

薬局の店頭でもなじみの深い漢方薬に使われる生薬の「甘草」

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ここでもやはりフラボノイド系ポリフェノール


中性脂肪が居座ることを阻止



薬局の店頭でもなじみの深い漢方薬に使われる生薬の「甘草」。その甘草の成分が、なんと中性脂肪等が高くなるメタボリック症候群や糖尿病の原因となる内臓脂肪の炎症、線維化を抑えることを、富山大などの研究グループがマウスによる実験で突き止めました。


研究グループによると、肥満が進むと、中性脂肪などの内臓脂肪の中の脂肪細胞と白血球の一種「マクロファージ」の働きで、内臓脂肪が炎症を起こし、線維化してしまうといいます。


内臓脂肪の線維化により内臓に脂肪が蓄積し、中性脂肪等が高くなるメタボリック症候群や脂肪肝の原因となるのです。また、内臓脂肪に炎症が起きるとインスリンの働きが悪くなり、糖尿病の要因にもなります。


甘草は、砂糖の50-80倍の甘みがある植物です。主に根を乾燥させ、そのまま煮出して甘草湯にしたり、粉末を甘味料として使用します。古くから薬効があるとされてきましたが、現在も中国やドイツ、日本でも様々な働きが証明され幅広く利用されています。


研究グループはマウスを使って20週間にわたり・・・

1.高脂肪食のみで飼育したマウス

2.高脂肪食と甘草に含まれるイソリクイリチゲニン(ILG)を与えて飼育したマウス

・・・に分けて経緯を観察しました。


結果としては、高脂肪食だけのマウスでは内臓脂肪の線維化がみられましたが、イソリクイリチゲニン(ILG)を与えたマウスでは線維化が抑えられたといいます。


また、試験管での培養実験でも、マウスの脂肪細胞の炎症がイソリクイリチゲニン(ILG)により抑制されることも確認しました。


甘草には、甘味のもととなるグリチルリチンの他にリクイチリンやリクイリチゲニン、イソリクイリチン、イソリクイリチゲニンというフラボノイド系の物質があげられます。これらの成分には非常に強い抗酸化作用が認められています。


特に、イソリクイリチゲンには抗酸化作用に加え、抗炎症作用などの様々な働きが明らかになってきました。イソリクイリチゲンは医薬品として開発すべく研究されています。

漢方薬で使われる「甘草湯」の効能効果は「激しいせき、咽喉痛、口内炎、しわがれ声」となっていて、主にはグリチルリチンの抗炎症効果に由来するものです。


また甘草は、過剰摂取により、高血圧症、低カリウム血症、むくみ等の偽アルドステロン症という症状があらわれることがあります。甘草は、多くの漢方に含まれているほか、タバコや菓子、醤油などの矯味料や甘味料としても多量に用いられているため、過剰摂取に注意が必要です。


とはいのうものの、漢方薬などに日常的に使われる成分で基本的には体への負担も小さいので、今後は中性脂肪を抑えて、内臓脂肪の線維化を抑える詳しい仕組みを明らかにして、素晴らしい治療薬を開発してほしいものです。


※英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」英科学誌電子版(2016年3月15日)

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